ロシア国歌とブラジル国歌の共通点
ロシアの国歌とブラジルの国歌にはある共通点があることに気が付きました。
今回はそれを記事にしてみようと思います。
(2018/8/13追記:この記事は正確でない可能性が高いです。そのうち(いつになるかは不明)この記事の内容を再検証して書き直そうと思いますので、以下に書いてあることはあまり信じないでください。)
まずそもそも国歌とは「国家的祭典や国際的行事で、国民および国家を代表するものとして歌われる歌」(by広辞苑)です。まあ世界には歌詞がない国歌もありますが。
国を代表する国歌は、国が変われば変更されます。
日本は昔から「君が代」ですが、世界では国歌が変わるところも多く革命とかで国の体制が変わったりすると国歌も変更されたりします。国が変わらなくても国歌がかわることもあります。
ロシアもブラジルも、国が変わった時、新しい国歌を作ろうとしたのです。
ロシア国歌
まずロシアは現在はロシア連邦という国ですけれど、昔(そんなに昔じゃないけど)は「ソビエト社会主義共和国連邦」という国で、当然ソ連にはソ連時代の国歌がありました。
↑ソ連国旗
1922年~1944年の間は“Интернационал”(インターナショナル)という革命歌が国歌として使われていました。
その後1944年から1991年までは“Гимн Советского Союза”(ソビエト連邦国歌)という名前の国歌が歌われていました。
↓この歌です。字幕をonにすると原文と和訳が見れます。
ソビエト連邦国歌(われらは祖国のために) - YouTube
雄大で迫力あるメロディーです。
その後ソ連は崩壊し、今のロシア連邦になるわけですが、その際当然新しい国歌を作ろうとしたのですが、うまくいきませんでした。
ロシア連邦、即ちソ連崩壊後のロシアでは、脱ソビエト化を推し進めていたボリス・エリツィン大統領によりミハイル・グリンカ作曲の「愛国歌」が暫定国歌に定められたが、この曲には歌詞が無くメロディーのみが演奏されたため、一向に定着せず公式の国歌として法定化する事も出来なかった。
(略)
エリツィンにかわって大統領となったウラジーミル・プーチンは、共産党への懐柔及び「強いソ連」の時代と「現代ロシア」のイメージを重ね合わせた「強いロシア」を強調して国民の人気を得るべく、2000年末にソビエト連邦国歌のメロディを復活させる国歌法を制定した。こうして、ソビエト連邦国歌は、ロシア連邦国歌として復活した。
-Wikipediaより。
つまり、ソ連崩壊後最初に作った国歌が人気がなく定着しなかったので、ソ連時代のメロディーに歌詞を改めたものを国歌としたのです。
それが、“Государственный гимн Российской Федерации”(ロシア連邦国歌)です。
「ソビエト連邦国歌」とメロディーが同じなのが分かると思います。
ブラジル国歌
ブラジルにはかつて「ブラジル帝国」という帝国時代がありました。皇帝もいました。
↑ブラジル帝国の国旗
ブラジル帝国にもブラジル帝国の国歌がありました。その国歌はずっと歌詞がない状態で演奏されてたみたいです。
その後1889年に帝国時代は終わりを告げ、共和国として新しいブラジルの歴史が始まるわけですが、その際、ロシアと同じようにブラジルも国歌を新しくしようという動きになりました。
そして実際に新しい国歌が出来たのですが、ロシア同様うまくいかず、結局帝国時代の国歌を引き継ぐことになりました。
現在は、帝国時代から続くメロディーに1992年に制定された歌詞を付けて歌われています。それが“Hino Nacional Brasileiro”「ブラジル国歌」です。
National Anthem of Brazil ‒ “Hino Nacional Brasileiro ...
かなりテンポの早い曲ですよね。
前時代の国歌を改めようとしてうまくいかず、新しい時代になっても結局前時代の国歌を引き継いだという点で、ロシア国歌とブラジル国歌は共通しています。
引き継いだといっても、ロシアは歌詞を変えてますし、ブラジルも無歌詞だった国歌に、現在は公式の歌詞を付けています。正確に言えば「メロディーを引き継いでる」という事になりますね。
あと、国歌名が「〇〇国歌」というシンプルな名前だというところも共通していますね。こういう名前の国歌は他にもいくつかあります。
ーーーーーーーーーおまけーーーーーーーーー
National Anthem of the Empire of Brazil - "Hino da ...
「ブラジル帝国の国歌」という動画ですが、今の国歌とメロディーが異なります。あれ?今のブラジル国歌は帝国時代のメロディーとかわらないはずじゃ...
この曲は国歌ではなく、ブラジル帝国の公式愛国歌のようです。(動画の説明欄にそう書いてある。)
動画の名前が紛らわしすぎる...
YouTubeにはこの曲が「ブラジル帝国の国歌」という動画名でいくつか存在するのですが、多分愛国歌の誤りだと思います。
このサイトには国歌が帝国時代のメロディーを採用したことが書いてありますし、『世界の国歌総覧』(悠書館)にも、1822年に作曲され、共和制に移行しても曲は従来のまま踏襲されたと書いてあります。